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カニの値段が高い?カニ高騰の理由を徹底解明!


蟹の価格

ここ数年、カニの値段が上昇しています。漁獲量の減少とは裏腹に、外国でも需要が増え、価格高騰の原因となっています。では、実際のところ、どれくらい獲れているのでしょうか。

蟹の漁獲量の推移

農林水産省が発表している、カニの漁獲量の推移をみると、統計が1956年(昭和31年)から始まり、42,038t。その後、1968年(昭和43年)のピーク時で、117,737t。

そこから一時下がり、次のピークが1983年(昭和58年)の100,906tを境に、年々減少。2012年(平成24年)には、29,769tと、とうとう30,000tを切りました。ピーク時の1/4の漁獲量まで減少しています。

漁獲量減少の理由

漁獲量の減少の主な理由としては、乱獲が挙げられます。

まだ自由に漁をしていた時代は、獲れるだけカニを獲っていました。その結果、成長しにくいメス蟹の減少や、若ガニの減少により、カニの漁獲量が減りました。

これを受け、各漁場では色々な漁獲制限が設けられています。

漁獲制限について

北海道の毛ガニは、メスと甲羅8センチ未満のオスは漁獲禁止となっています。地域によっては、漁獲制限が功を奏して、増加している地域もありますが、全体的には減少傾向にあります。

しかし、漁獲制限後も漁獲量は減っています。

さらに減少を続ける漁獲量

その原因は、混獲ガニの生存率が問題なのではないかと考えられています。混獲ガニとは、カレイや他の魚を底引き網で獲る際、一緒に水揚げされてしまうカニのことを指します。漁獲期間外に水揚げされたカニは、もちろん海に戻されます。

戻されたカニの中で特に10月の生存率が特に低く(オスで0%、メスで3~15%)、混獲ガニの問題が漁獲量の減少の一因であると考えられています。

年々減り続ける漁獲量を、上手くコントロールできるよう、自然との共存方法を模索しているのです。

平成25年度 都道府県別 漁獲量の増減傾向

()内は全体に占める割合 <>は昨年対比 【増減率】

【1位】北海道
 6000t(20.3%)<-400t> 6.7%減 ↓

【2位】鳥取県
 4800t(16.3%)<-600t> 12.5%減 ↓

【3位】兵庫県
 3700t(12.5%)<-700t> 18.9%減 ↓

【4位】島根県
 3600t(12.2%)<-700t> 19.4%減 ↓

【5位】新潟県
 2900t(9.8%)<+200t> 6.9%増 ↑

トップの北海道をはじめ、ベスト4までもが減少しています。さらに、減少率もかなり高いと言えます。

参考資料 農林水産省 平成25年度 海面漁業生産統計調査

輸入量が激減した理由

日本のカニ市場は、大きく輸入に頼っています。そんな中で、2014年12月にロシアとの間に「密漁・密輸出対策に対する協定」が発効され、ロシアからの輸入が規制されました。

日本の輸入蟹の中で、ロシア産が占める割合は平成24年度の農林水産省の資料で63%。ついでカナダが17%となっています。

協定発効後、ロシアからの輸入量は1/10までに減少しました。従って、国内に流通量が減少することに繋がりました。

ただ、密漁が減少することにより、若ガニやメスの乱獲の減少が見込まれ、水産資源の確保に一歩前進したと言えます。

参考資料 農林水産省 平成23年度 平成23年度以降のわが国水産の動向

カニの値段が高いのはたくさんの理由から

カニの値段は、漁獲量の減少、輸入量の減少、に続き、海外での日本食人気や経済発展した国の需要増と上がる一途となっています。

しかし、漁獲制限ルールを守ることにより、漁獲量の増加する地域も出てきている為、今後の安定供給に希望の光も差しています。